コロナ禍での避難所3密回避のために在宅避難や知人宅への避難が可能かをハザードマップで確認するよう行政は呼び掛けてるけども本当に在宅避難は可能なの?
在宅避難のためには何を備える?
コロナ禍における災害避難の考え方として、避難所への避難以外の方法として「在宅避難(上階避難)」や「知人宅等への避難」を検討されていると思いますが、在宅避難への備えは出来ていますか?避難とは災害等の「難」を「避ける」ために行うものであり、そのためには準備が必要です。この記事では在宅避難を実現させるための備蓄について分かり易く解説します。
避難所に行かなければならない理由は何か?
まず最初に避難所に避難しなければならない理由について考えてみましょう。避難のポイントは「何から難を避けるのか」です。避難と言っても理由は異なり、大きく分けると次の3つに分かれると考えられます。
- 浸水や土砂災害による被害からの避難
- 地震等による建物への被害による避難
- ライフライン被害による避難
避難所へ行くという事は、避難することでこれらの「難」を「避ける」ことを期待することになります。
浸水や土砂災害による被害からの避難
令和2年7月豪雨のような線状降水帯等による大雨に起因して、河川の氾濫や土砂災害の発生から避難することです。大雨の他には台風の接近時もこのカテゴリーとして考える事が可能です。被害の想定は地方公共団体のHP等のハザードマップから確認することができ、最大の浸水想定深や土砂災害(特別)警戒区域内にあるかどうかを確認することで避難所等へ立ち退き避難をするかどうかを決定します。
言い方を変えると、家やライフラインに被害が無く、最大の浸水想定深も浅く土砂災害(特別)警戒区域内に入っていない状態であれば、避難所へ避難する必要は無く、2階等へ上階避難を行う(場合によってはそれも不要)在宅避難が十分可能という訳です。また、知人宅への避難の考え方も同様に、浸水被害や土砂災害の危険性が高い知人宅へ災害時に向かうことは避難とは言えませんよ。
地震等による建物への被害による避難
建物に被害が出て住み続ける事に支障があるようであれば、避難所への立ち退き避難が必要です。被害の例を挙げると次のような場合には避難せざるを得ないと考えます。
- 地震により建物の壁に亀裂が入り、安全かどうかが判断できない場合
- 台風で飛来物により掃き出し窓等の大きな窓が割れ、命の危険性を感じた時
例として挙げた2つに共通する点は「住処」として継続してそこで生活することができないことです。
万が一地震が起こり、被災したとしても多くの方が自宅での生活を希望されます。我が家に問題が無ければ避難所へは行きたくないですよね。しかし、忘れてはいけないのが、一度目の揺れにより自宅は大きなダメージを負っている可能性がある点です。
指定避難所とされている建物の多くはS造やRC造の堅牢な建物であることが多く、震災時にもセーフティチェックを行う体制が取られていることが多いため、余震等があった場合でも一定の耐久性を有していると考えられます。自宅や周辺の建物の状況から注意深く判断する必要があり、迷ったら一旦避難所へ避難することを勧めます。
ライフライン被害による避難
ガス、水道、電気といったライフラインに被害が出てしまい、自宅に居られないことを理由とする避難であり、先に説明した避難とは少し性質が異なります。家で生活できないから避難所へ行くものであり、ライフライン復旧と同時に自宅へ帰る方が多い避難の理由になります。
在宅避難を可能とするかどうかを決める大切なポイントはここです!下図は近年における大きな災害によるライフライン被害とそれらの復旧までの期間を纏めたものです。災害規模にもよりますが、対応するためにはある程度の備えが重要です。
ライフライン被害への備えと食料備蓄は同時に考える!?
ライフライン被害は電気、ガス、水道に大きく分ける事ができます。大規模災害時にはこれらの被害が併発することが多く、復旧への時間の長さもそれぞれ異なります。リスクへの備えを分かり易くひも解くために、それぞれの観点から必用な備蓄品について解説します。
電気の不通
食生活を考えた時に一番困ることが、冷蔵庫や冷凍庫が使えなくなることです。さらに夏場であれば冷暖房も使用出来ないため食材が痛むスピードはさらに早まります。しかし、水道やガスといったライフラインに問題が無ければ食材の調理に関しては選択肢は割と多くあります。オール電化の家庭であればダメージは大きいため、カセットコンロ等を準備することをオススメします。
水と火が使えるなら、カップラーメンやレトルト食品の湯煎が可能であるため温かい食事を家庭内で味わう事ができますね。以外と重要になるのがモバイルバッテリーであり、スマホは最強の情報収集ツールです。スマホ1つで情報収集と連絡手段、懐中電灯と非常に多くの防災ツールを兼ねています。
ひと昔前であれば、災害に備えてラジオや懐中電灯を用意することは当たり前のように推奨されていましたが、現代においてスマホ以上の防災ツールはありません。特にSNSは生の情報がかなり早いタイミングで発信されます。情報のソースが重要になるため、地域の行政庁のツイッター等のアカウントは登録することをオススメしますよ。
ガスの遮断
オール電化であることを除けば、火が使えないといった点がガス遮断による最大の影響です。しかし、影響があるのは都市ガスに限ります。プロパンガスであれば、影響はあまり無いと言っても過言ではありません。都市ガスの家庭であればダメージは大きいため、カセットコンロ等を準備することをオススメします。
食費備蓄について考えると、電気が生きていれば電子ケトル等により湯を沸かすことは可能ですが、火が使用できないデメリットは非常に大きいです。食料備蓄については常温の水で調理できるものや湯煎等の必要が無いパンの缶詰等について検討しましょう。
アルファ化米については常温の水でも調理が可能ですが、調理時間が長くなったり、温かくないことによる味の品質の低下がデメリットです。
レトルトカレーについても温めることなく食べれるものもありますので、白飯のアルファ化米と組み合わせると良いでしょう。
私のオススメは缶詰パンです!ジャムパンやデニッシュ、食パンと種類もそこそこあり、保存期間も5年間と長期間のものが多いです。デメリットとしてはイメージできると思いますが少しパサつくため、水分も欲しくなります(笑)。味にこだわるならボローニャの缶詰を推します!
他にはクラッカーやビスコ等も高カロリーであり、なじみの味からあまり変わらないため抵抗なく食べれます。
上下水道の断水
ある意味この被害があると避難所で急場をしのぐしかないといったイメージの水道被害です。しかし、避難所へ避難したとしてもこれらの問題は避難所においても大きな課題となり得る問題です。生命を維持するために最も大切な「飲料水」の確保と、衛生対策上最も重要な「トイレ」の確保、これらについては家庭で対策することができれば、災害時においても非常に心強いものとなります。
飲料水については1日最低でも1L、食品等で水分が摂取できないことを考えると1日辺り3Lの備蓄が必要と言われています。災害時に政府からのプッシュ型支援があることを前提に考えたとしても3日分は用意したいところであり、1人辺り10L前後の飲料水が必要になる訳です。4人家族であれば、40L!、2Lペットボトルでも20本の場所を用意することから始めて下さい。
少し高額にはなりますが、定期的に水がストックされるウォーターサーバーについても災害備蓄の観点ではアリです。知名度や価格帯を考えるとプレミアムウォーターがイチオシです。
日常生活では飲料水以外でもそれ以上の量の水が必要になるため、それらは別の形で用意することをオススメします。
食器を洗わなくても済むようにプラスチックスプーンや割りばしを用意したり、トイレの排水をしなくてもよいように簡易トイレを用意したり… 特に水道破損によってトイレが使えなくなってしまうと生活を自宅で継続することは非常に難しくなるため、トイレへの備えは在宅避難を検討する中で必須項目です!
あとは水が無くても体を清潔に保てるようにボディシート等についても必用です。頭を洗えない事も非常にストレスになるため、水なしシャンプーについても私にとっては必需品です。
番外編 食糧備蓄の選択肢にプロテインがオススメ!?
令和2年度の4月~5月にかけて、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により在宅の機会が増えましたね。屋外での運動の機会が減ったことで、巣ごもり太りやコロナ太りが促進されてしまいました…
プロテインとマルチビタミン
— ユキ❄ (@yukimunmun) July 11, 2020
おまけでグラノーラ
シェーカーも新調
コロナ太りという言い訳で甘やかした自分に喝を入れる
厳しくストイックにいく pic.twitter.com/VNlFKnqdmz
ダイエット食品としてプロテインが注目されることとなりましたが、災害時の備蓄食料としても実は優秀です!
理由は常温の水で溶かして摂取することが出来る点と、高タンパクであり、そこそこ長期(1年~1年半)の保存期間を有している点です。
私が愛飲しているのは【Myprotein】であり、安くて水によく溶ける点が非常に気に入っています。ジッパーで密封することが出来ますが開封後は3か月以内の使い切りを心掛けて下さい。注意点はAmazonやメルカリ等でも販売されていますが、公式で買うものよりも賞味期限の残りの期間が短かったり、高額だったりします。公式ページではセールで45%を超えるの大幅割引や初回限定のお試しセットがあるため私はこちらを使用しています。
おわりに
ライフライン被害それぞれの視点から必要な備蓄品について検討しましたが、これらのライフライン被害は併発する可能性があることを忘れてはいけません。特に備えとして食料や水が重要であることはもちろんですが、カセットコンロやモバイルバッテリー、簡易トイレについては在宅避難を検討する中で必須と考えても過言ではありません。また、災害備蓄で食料を確保することを考えるとあまり楽しいものではありませんが、ちょっとしたキャンプ気分で備蓄品を少しづつローテーションさせると家族で楽しめますよ! 我が家では備蓄食料を「実験ご飯」といって子供たちとともに調理しており、新しい味を楽しんで探求しています。
楽しく備蓄し、災害に備えましょう!
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