ビニールカーテン(飛沫防止用の透明シート)は防炎製品を使わなければ違反になるの?

消防防災NEWS

新型コロナウイルスが流行してから、飛沫防止用の透明シートを接客スペースに設置することが当たり前になりつつあるけども、火災予防の観点からすると危ないよね!?

あれって、防炎物品とかにしないと違反になるの?

新型コロナウイルスの感染経路は飛沫感染と考えられているため、受付や接客スペースでは飛沫防止用の透明シートを設置することが当たり前になりつつあります。消防法では高層建築物や飲食店や物品販売店舗等の特定用途防火対象物では防炎対象物品は一定の防炎性能を有する必要がありますね。この飛沫防止用透明シートは防炎対象物品として防炎性能を有しなければならない対象となるのでしょうか?結論から言うと違反にはなりません。この記事ではコロナ対策として設置される飛沫防止シートと消防法の関係性について解説します。

特定用途防火対象物でも飛沫防止シートが非防炎でも違反にならない

中見出しの通り、透明素材の飛沫防止シートを天井から吊り下げていても防炎違反にはなりません。理由は非常に簡単で、「飛沫防止シート」は防炎対象物品ではないからです。防炎対象物品について簡単に説明すると、〈カーテン等布製の垂直方向の延焼媒体物〉、〈じゅうたん等〉、〈展示用合板〉に区分ます。つまり、透明素材(樹脂製)の飛沫防止シートはこれらに該当はしません。心理的にはカーテン等と同じような火災危険性があるように感じるため、対象外であることが「どうして?」ってなりますよね…

防炎対象物品については次の記事で詳しく解説していますので、参考にどうぞ!

【飛沫防止シート】防炎違反にはならないけど燃えるよね!?

カーテン等の布製品ではないため、法令上は飛沫防止シートを防炎物品としなくても違反にならない事が分かった所ですが、気になる点は燃える危険性があるか無いかですよね。実は火災事例も既にあり、大阪府内の商業施設でライターを購入した客が試しに点火したところ、シートに着火する火災が発生しており、消防庁からも注意喚起を行う通知文書〈令和2年6月1日事務連絡〉が発出されています。

飛沫防止シートの特徴として天井から樹脂製の透明シートを吊り下げているため、万が一火災が発生した場合に燃えやすい素材だと、天井面へ炎を誘導することになり、火災予防上は危険性が高いです。特に火を使用する設備や器具に近接しては設置しないようにしましょう。

防炎性能を有する飛沫防止シートを推奨!

では飛沫防止のために設置するシートやボードはどのようなものがオススメなのか?

燃えにくい素材(難燃性、不燃性、防炎製品など)を使用することが一番望ましいですが、同じ素材であれば、薄いフィルム状のものに比べて板状のものの方が防火上望ましいです。

普通の透明シートより板状のパーテーションタイプや防炎ラベル付きのシートを選択することが防火上重要です!

飛沫防止パーテーション

受付窓口に置き型で設置することが可能です。天井まで樹脂素材が立ち上がりきらない事と板状のため防火上シートに比べて安全ですが、デメリットとしてやや高額な点と、衝撃により足とパーテーションの接合部が破損してしまう可能性がある点が挙げられます。

防炎タイプの飛沫防止シート

日本防炎協会認定のラベル付きのものが流通しています。商品紹介に耐熱性能を有することを宣伝している製品も多いですが、商品紹介に以下のような文言が記載されているものを選択することをオススメします。消防庁からも情報提供通知として発出されています〈令和2年7月22日事務連絡〉。

日本防炎協会認定の「防炎ラベル」(1カットにつき1枚)シールがついています。火が近づいても燃えにくく、溶けて縮んで燃え広がりません。

オフィス用パーテーション

受付スペース同士を区切る場合には大型のパーテーションの設置が必要となりますが、業者発注すると非常に高額になりがちです(汗)

レイアウトも後で従業員のみで変更可能なものを選択しましょう。あ、一点言い忘れていましたが、自火報感知器の感知区域やスプリンクラーヘッドの散水障害等に注意するためにも天井面からパーテーションは一定距離を開けましょう!

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おわりに

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、感染防止対策について様々なアイデアが出され、日々社会が変化しつつあります。それらのアイデアが感染症対策に有効であっても他方面から見ると危険性を高めている可能性もあります。アルコールや飛沫防止シートについても危険性をよく理解し、火災予防の観点を見失わないようにコロナに対しても正しく危険性と向き合いましょう!

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