屋内消火栓の非常電源についていったいどれを選択するの? 非常電源専用受電は選択できる?

消火設備

屋内消火栓の非常電源って他の消防用設備等も基準を準用しているよね。非常電源専用受電の高圧とか低圧とかよく分からない…

そもそもこの規模用途で非常電源専用受電は使えるの?

配電盤の種別はどうするのか、第1種と第2種配電盤について教えて!

屋内消火栓の非常電源で【非常電源専用受電設備】がありますが、高圧で受電するものと低圧で受電するものに分かれています。この記事では主に非常電源専用受電について解説し、上記のような疑問を解決します。

特定用途防火対象物の非常電源は1000㎡を境に非常電源専用受電が選択できなくなる!

屋内消火栓の非常電源の種類は消防法施行規則第12条第1項第4項に定められており、特定用途と非特定用途によって選択できるものが異なります。非特定用途は面積に関係無く非常電源専用受電設備の選択が可能ですが、特定用途では1000㎡以上になると非常電源専用受電設備が選択できなくなります。

非特定用途非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備
1000㎡未満の特定用途非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備
1000㎡以上の特定用途自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備
施行規則第十二条 第1項第4号(屋内消火栓設備に関する基準の細目)

屋内消火栓設備の非常電源は、非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備(法第十七条の二の五第二項第四号に規定する特定防火対象物(以下「特定防火対象物」という。)で、延べ面積が千平方メートル以上のもの(第十三条第一項第二号に規定する小規模特定用途複合防火対象物を除く。)にあつては、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備)によるものとし、次のイからホまでに定めるところによること。

非常電源専用受電設備は「共通ルール」、「高圧か低圧」、「操作空間のルール」に分かれる!

タイトルの通り、非常電源専用受電設備はここから大きく4つに分かれます。まずは共通ルールについてです。

  • 点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に設けること。
  • 他の電気回路の開閉器又は遮断器によつて遮断されないこと。
  • 開閉器には屋内消火栓設備用である旨を表示すること。

これらは高圧であろうと低圧であろうと適用される共通ルールのようなものです。

施行規則第十二条 第1項第4号(屋内消火栓設備に関する基準の細目)

イ 非常電源専用受電設備は、次の(イ)から(ト)までに定めるところによること。

(イ) 点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に設けること。

(ロ) 他の電気回路の開閉器又は遮断器によつて遮断されないこと。

(ハ) 開閉器には屋内消火栓設備用である旨を表示すること。

高圧で受電する非常電源専用受電の設置位置について解説!

高圧で受電する場合は基本的には防火戸を設けた不燃専用室に設置する必要がありますが、次の場合は例外として定められています。

  • 認定キュービクルでの設置
  • 屋外又は主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上に設ける場合で、隣接する建築物若しくは工作物から三メートル以上の距離を有する位置での設置
  • 当該受電設備から三メートル未満の範囲の隣接する建築物等の部分が不燃材料で造られ、かつ、当該建築物等の開口部に防火戸が設けられているとき
施行規則第十二条 第1項第4号(屋内消火栓設備に関する基準の細目)

ニ)高圧又は特別高圧で受電する非常電源専用受電設備にあつては、不燃材料(建築基準法第二条第九号に規定する不燃材料をいう。以下同じ。)で造られた壁、柱、床及び天井(天井のない場合にあつては、屋根)で区画され、かつ、窓及び出入口に防火戸(建築基準法第二条第九号の二ロに規定する防火設備であるものに限る。以下同じ。)を設けた専用の室に設けること。ただし、次の(1)又は(2)に該当する場合は、この限りでない。

 (1) 消防庁長官が定める基準に適合するキュービクル式非常電源専用受電設備で不燃材料で区画された変電設備室、発電設備室、機械室、ポンプ室その他これらに類する室又は屋外若しくは建築物の屋上に設ける場合  →いわゆる認定キュービクル

 (2) 屋外又は主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上に設ける場合において、隣接する建築物若しくは工作物(以下「建築物等」という。)から三メートル以上の距離を有するとき又は当該受電設備から三メートル未満の範囲の隣接する建築物等の部分が不燃材料で造られ、かつ、当該建築物等の開口部に防火戸が設けられているとき

非常電源専用受電設備の操作空間についてのルール!

キュービクル式非常電源専用受電設備とそれ以外の非常電源専用受電設備についての操作空間についても定められています。少し後の条項ですが、キュービクル式非常電源専用受電設備について説明がありましたので続けて先に解説します。

キュービクルについては前面に1m以上の空地を有することと他のキュービクル式以外の自家発、蓄電池設備や建築物等から1m以上離れる必要があることが定められています。

キュービクル式以外のものは操作面の前面に1m以上の空地を有することが定められておりココはキュービクル式のものと同様です。しかし、操作面が相互に面する場合については1.2m以上の幅の空地が必用になります。

施行規則第十二条 第1項第4号(屋内消火栓設備に関する基準の細目)

(ヘ) キュービクル式非常電源専用受電設備は、当該受電設備の前面に一メートル以上の幅の空地を有し、かつ、他のキュービクル式以外の自家発電設備若しくはキュービクル式以外の蓄電池設備又は建築物等(当該受電設備を屋外に設ける場合に限る。)から一メートル以上離れているものであること。

(ト) 非常電源専用受電設備(キュービクル式のものを除く。)は、操作面の前面に一メートル(操作面が相互に面する場合にあつては、一・二メートル)以上の幅の空地を有すること。

低圧で受電する非常電源専用受電の設置について基本は第1種分電盤か第1種配電盤であり、不燃区画等の設置場所により緩和が可能!

低圧で受電する際は基本的には第1種配電盤か第1種分電盤に接続する必要があります。一定以上の条件を満たせば第1種ほどの性能を求められないようになります。条件等については次の様に纏める事が出来ます。

基本第一種配電盤
第一種分電盤
不燃材料で区画された変電設備室、機械室(火災の発生のおそれのある設備又は機器が設置されているものを除く。)、ポンプ室その他これらに類する室 第一種配電盤
第一種分電盤
第二種配電盤
第二種分電盤
不燃材料で造られた壁、柱、床及び天井(天井のない場合にあつては、屋根)で区画され、かつ、窓及び出入口に防火戸を設けた専用の室 第一種配電盤、第一種分電盤以外の配電盤、分電盤でもOK
屋外又は主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上(隣接する建築物等から三メートル以上の距離を有する場合又は当該受電設備から三メートル未満の範囲の隣接する建築物等の部分が不燃材料で造られ、かつ、当該建築物等の開口部に防火戸が設けられている場合に限る。) 第一種配電盤、第一種分電盤以外の配電盤、分電盤でもOK

法文にを上表と同じように色分けしていますので確認してみて下さい。

施行規則第十二条 第1項第4号(屋内消火栓設備に関する基準の細目)

(ホ) 低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤又は分電盤は、消防庁長官が定める基準に適合する第一種配電盤又は第一種分電盤を用いること。ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場所に設ける場合には、第一種配電盤又は第一種分電盤以外の配電盤又は分電盤を、次の(3)に掲げる場所に設ける場合には、消防庁長官が定める基準に適合する第二種配電盤又は第二種分電盤を用いることができる。

 (1) 不燃材料で造られた壁、柱、床及び天井(天井のない場合にあつては、屋根)で区画され、かつ、窓及び出入口に防火戸を設けた専用の室

 (2) 屋外又は主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上(隣接する建築物等から三メートル以上の距離を有する場合又は当該受電設備から三メートル未満の範囲の隣接する建築物等の部分が不燃材料で造られ、かつ、当該建築物等の開口部に防火戸が設けられている場合に限る。)

 (3) 不燃材料で区画された変電設備室、機械室(火災の発生のおそれのある設備又は機器が設置されているものを除く。)、ポンプ室その他これらに類する室

(ヘ) キュービクル式非常電源専用受電設備は、当該受電設備の前面に一メートル以上の幅の空地を有し、かつ、他のキュービクル式以外の自家発電設備若しくはキュービクル式以外の蓄電池設備又は建築物等(当該受電設備を屋外に設ける場合に限る。)から一メートル以上離れているものであること。

(ト) 非常電源専用受電設備(キュービクル式のものを除く。)は、操作面の前面に一メートル(操作面が相互に面する場合にあつては、一・二メートル)以上の幅の空地を有すること。

まとめ

昭和五十六年十二月二十二日 消防庁告示第十号に第1種と第2種の違いが記載されています。

キャビネットの鋼板の厚さ等に違いがあり、断熱性能が大きく異なります。

ひと昔前の非常電源のイメージはよく地下室等に設けられることが多いですよね。しかし予想を大きく上回るような豪雨災害で浸水した際には、電気系統が一気に潰れてしまうリスクがあります。最近は電気系統を浸水被害から守るために屋上にキュービクル変電を設ける事が多くなったように感じますね。

洪水時のリスク等を説明し、新築時には屋上キュービクルを勧めましょう!

予防技術検定にチャレンジ! 屋内消火栓の非常電源編

問題

次の低圧で受電する非常電源専用受電設備についての記述のうち、適切でないものを選べ。

  1. 不燃材料で造られた壁、柱、床及び天井(天井のない場合にあつては、屋根)で区画され、かつ、窓及び出入口に防火戸を設けた専用の室に第1種分電盤を設置した。
  2. 不燃材料で区画された変電設備室、機械室(火災の発生のおそれのある設備又は機器が設置されているものを除く。)、ポンプ室その他これらに類する室に第2種配電盤を設置した。
  3. 不燃材料で区画された変電設備室、機械室(火災の発生のおそれのある設備又は機器が設置されているものを除く。)、ポンプ室その他これらに類する室 に分電盤を設置した。
  4. 屋外又は主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上(隣接する建築物等から三メートル以上の距離を有する場合又は当該受電設備から三メートル未満の範囲の隣接する建築物等の部分が不燃材料で造られ、かつ、当該建築物等の開口部に防火戸が設けられている場合に限る。) に分電盤を設置した。

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答え

3.不燃材料で区画された変電設備室、機械室(火災の発生のおそれのある設備又は機器が設置されているものを除く。)、ポンプ室その他これらに類する室 に分電盤を設置した。

第一種配電盤、第一種分電盤、第二種配電盤、第二種分電盤に限定される!

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