パッケージ型消火設備を設置することができる条件を図解で解説!

様々な種類の消火器 消火設備

パッケージ型消火設備は屋内消火栓の代わりに設置できる設備だよね。

イメージとしては消火器よりは消火能力が高そうだけど、屋内消火栓ほどではない… 水槽とか発電機等を設置しなくていい分、設置が容易だけど条件があるんでしょ? その条件について教えて!

この記事ではパッケージ型消火設備を屋内消火栓の代わりに設置する場合の用途や延べ面積等の注意点について解説します。その結果パッケージ型消火設備への理解が深まり、上記のような疑問も解決します。

パッケージ型消火設備にはそもそも設置できる用途や条件がある!?

パッケージ型消火設備の最大の特徴は消火薬剤がそれぞれの設備ごとに充填されており、屋内消火栓のような水槽は不要という点ですね。しかし、その一方で消火薬剤量が相対的に少ないため「多量の可燃物」や「多量の指定可燃物」の消火には不向きというデメリットがあります。

パッケージ型消火設備を屋内消火栓の代わりに設置できる大前提として用途は1項から12項、15項に限定されています。

指定可燃物については可燃性液体類は1倍以上でNG!可燃性液体類以外は750倍以上でNGです。

使用環境についても条件があり、「地階、無窓階又は火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所」はNGです。

パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する 技術上の基準を定める件
平成十六年五月三十一日 消防庁告示第十二 号

第三 パッケージ型消火設備を設置することができる防火対象物の要件

パッケージ型消火設備は、消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号。以下「令」 という。)第十一条第一項第一号から第三号まで及び第六号に掲げる防火対象物又はその部分のうち、令別表第一㈠項から(十二)項まで若しくは(十五)項に掲げる防火対象物 又は同表(十六)項に掲げる防火対象物の同表㈠項から(十二)項まで若しくは(十五)項に掲げる防火対象物の用途に供される部分(指定可燃物(可燃性液体類に係るものを除く。)を危険物の規制に関する政令(昭和三十四年政令第三百六号)別表第四で定める数量の七百五十倍以上貯蔵し、又は取り扱うものを除く。)であって、次に掲げるもの (地階、無窓階又は火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所を除く。)に設置することができるものとする。

Ⅰ型とⅡ型の分類、面積や階層の条件について

適用できる範囲が広いⅠ型と限定的なⅡ型に分かれています。

使用要件は「耐火建築物かどうか」、「階層」、「延べ面積」で構成されています。Ⅱ型の設置条件について階層は2/3、面積は1/2となっているのでⅠ型の設置要件さえ覚えれば大丈夫そうですね!

パッケージ型消火設備Ⅰ型が使用できる規模について

  • 耐火建築物にあっては、地階を除く階数が六以下であり、かつ、延べ面積が三千平方メートル以下のもの
  • 耐火建築物以外のものにあっては、地階を除く階数が三以下であり、かつ、延べ面積が二千平方メートル以下のもの

パッケージ型消火設備Ⅱ型が使用できる規模について

  • 耐火建築物にあっては、地階を除く階数が四以下であり、かつ、延べ面積が千五百平方メートル以下のもの
  • 耐火建築物以外のものにあっては、地階を除く階数が二以下であり、かつ、延べ面積が千平方メートル以下のもの
パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する 技術上の基準を定める件
平成十六年五月三十一日 消防庁告示第十二 号

一 次の㈠又は㈡に掲げる区分に応じ、それぞれ㈠又は㈡に定めるもの

㈠ Ⅰ型 次に掲げるもの

  耐火建築物にあっては、地階を除く階数が六以下であり、かつ、延べ面積が三千平方メートル以下のもの

  耐火建築物以外のものにあっては、地階を除く階数が三以下であり、かつ、延べ面積が二千平方メートル以下のもの

㈡ Ⅱ型 次に掲げるもの

  耐火建築物にあっては、地階を除く階数が四以下であり、かつ、延べ面積が千五百平方メートル以下のもの

  耐火建築物以外のものにあっては、地階を除く階数が二以下であり、かつ、延べ面積が千平方メートル以下のもの

二 前号に掲げるもののほか、平成十六年消防庁告示第十三号(必要とされる防火安全 性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令第二条第二項の規定に基づくパッ ケージ型自動消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準)の規定によりパッケー ジ型自動消火設備を設置している防火対象物又はその部分のうち、消防法施行規則 (昭和三十六年自治省令第六号)第十三条第三項各号に掲げる部分

まとめ

パッケージ型消火設備の特徴として消火薬剤量が相対的に少ないため「多量の可燃物」や「多量の指定可燃物」の消火には不向きというデメリットがあることを理解できましたか?

そのため14項は適用される用途から除かれていますね。屋内消火栓未設置という違反対象物があった際は設置が容易なパッケージ型消火設備が選択肢の中でも上位に挙がりますが、14項と無窓階には十分注意してください。

そうそう、パッケージ型自動消火設備という名称がよく似た設備がありますが、あれはスプリンクラー設備の代わりに設置できる設備です。「自動」が入っているところを見落とさないように!

予防技術検定にチャレンジ! パッケージ型消火設備編

予想問題

パッケージ型消火設備についての記述について適当でないものを選べ。

パッケージ型消火設備は、消防法施行令第十一条第一項第一号から第三号まで及び第六号に掲げる防火対象物又はその部分のうち、令別表第一( ア )項から( イ )項まで若しくは( ウ )項に掲げる防火対象物 又は同表(十六)項に掲げる防火対象物の同表( ア )項から( イ )項まで若しくは( ウ )項に掲げる防火対象物の用途に供される部分に設置することができる。しかし、( エ )又は火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所には設置することができない。

  1. ( ア )に入る用途は(1)である。
  2. ( イ )に入る用途は(12)である。
  3. ( ウ )に入る用途は(15)である。
  4. ( エ )に入る条件は(無窓階)である。

・・・・・

・・・・

・・・

・・

答え

4.( エ )に入る条件は(無窓階)である。

無窓階だけでは無く、地階についても使用できないため、【地階、無窓階又は火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所を除く。】が正しい条件です。

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