資格の取得には受験資格や制限等が設けられているよね。消防設備点検資格者ではどんな条件が定められているの?
点検資格者講習のテストに落ちたらどうなるの? 合格できる?
この記事では消防設備点検資格者講習を受講するために必要な条件等について解説し、上記のような疑問を解決します。
消防設備点検資格者になるためには一定条件が定められています!
消防法第17条の3の3に基づく点検で、一定規模以上の防火対象物は有資格者による点検が必要になります。その有資格者とは〈消防設備士免状の交付を受けているもの〉か〈消防設備点検資格者〉のことを指します。
消防設備士となるためには消防設備士免状を試験に合格することによって取得する必要がありますが、消防設備点検資格者は講習を受講することで資格を取得することができます。しかし、この消防設備点検資格者になるめには講習を受講するためには実務経験等の一定条件が定められています。
消防設備点検資格者や消防設備士のプロによる点検が法令で義務付けられている防火対象物の規模用途については以下の記事をご覧ください。
消防設備点検資格者講習を受講するために必要な資格要件について解説!
法第17条の3の3に規定する総務省令で定める資格を有する者は、≪次の各号のいずれかに該当する者で講習を受講し修了したことを証する書類の交付を受けているもの≫としています。
消防設備点検資格者となる前提条件で、予め電気工事士や水道布設工事監督者の資格、実務経験等を求めています。
消防設備点検資格者となる前提条件(資格)
- 消防設備士
- 電気工事士
- 管工事施工管理技士
- 水道布設工事監督者の資格を有する者
- 建築設備等検査員資格者証
- 一級建築士又は二級建築士
実務経験の必要年数については覚えておきたいポイントですね!
消防設備点検資格者となる前提条件(実務経験)
- 設備の工事又は整備に関する実務経験なら5年
- 消防行政での消防用設備等に係る事務なら1年
- 建築行政での建築設備に係る事務なら2年
それでは実際に法文で確認しましょう!
施行規則第三十一条の六(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
5 法第十七条の三の三の規定により消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者が点検を行うことができる消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類は、消防庁長官が定める。
6 法第十七条の三の三に規定する総務省令で定める資格を有する者は、次の各号のいずれかに該当する者で、消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検に関し必要な知識及び技能を修得することができる講習であつて、消防庁長官の登録を受けた法人(以下この条及び次条において「登録講習機関」という。)の行うものの課程を修了し、当該登録講習機関が発行する消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検に関し必要な知識及び技能を修得したことを証する書類(次項及び次条第二項において「免状」という。)の交付を受けている者(次項及び次条第二項において「消防設備点検資格者」という。)とする。
一 法第十七条の六に規定する消防設備士
二 電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第二条第四項に規定する電気工事士
三 建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二十七条並びに建設業法施行令(昭和三十一年政令第二百七十三号)第二十七条の三及び第二十七条の八に規定する管工事施工管理技士
四 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第十二条及び水道法施行令(昭和三十二年政令第三百三十六号)第四条に規定する水道布設工事監督者の資格を有する者
五 建築基準法第十二条第一項に規定する建築物調査員資格者証の交付を受けている者又は同条第三項に規定する建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者
六 建築士法第二条第二項に規定する一級建築士又は同条第三項に規定する二級建築士
七 学校教育法による大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について一年以上の実務の経験を有する者
八 学校教育法による高等学校若しくは中等教育学校又は旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について二年以上の実務の経験を有する者
九 消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について五年以上の実務の経験を有する者
十 前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると消防庁長官が認める者
消防法施行規則第三十一条の六第六項第十号に規定する同 項第一号から第九号までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者を定める件
平成十二年十二月十一日 消防庁告示第十一号
消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第三十一条の六第五項第十号の規定に基 づき、同号に規定する同項第一号から第九号までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者を次のとおり定める。
消防法施行規則第三十一条の六第五項第十号に規定する同項第一号から第九号までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者は、次の各号に掲げる者とする。
一 技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)第四条第一項に規定する第二次試験に合格 した者(機械部門、電気・電子部門、化学部門、水道部門又は衛生工学部門に係るものに限る。)
二 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十四条第一項に規定する第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者
三 船舶職員法(昭和二十六年法律第百四十九号)第四条第一項に規定する海技従事者の免許を受けている者(一級海技士(機関)、二級海技士(機関)又は三級海技士(機関)に係るものに限る。)
四 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第五条第一項に規定する建築基準適合判定資格者検定に合格した者
五 消防行政に係る事務のうち消防用設備等に係る事務に関し一年以上の実務経験を有する者
六 建築行政に係る事務のうち建築物の構造及び建築設備に係る事務に関し二年以上の実務経験を有する者
消防設備点検資格者講習の本音 講習最終日の試験には簡単に合格できる!?
さあ、消防設備点検資格者講習を受講して仕事として点検ができるようになるぞ!!と意気込んでも気になるの試験ですよね。
私は防火保安協会から講師の派遣を依頼されたことがありますので、「実際に合格することが出来る試験なのか」や「落ちた時の再試験の難易度の高さ」について、試験の難易度等についてお教えします。
試験内容は予め決まっている! 各講師に伝えられるのは問題と答え
試験内容は協会の方で予め作成しているようで、各講師に伝えられるのは問題と解答のみです。各セクションごとに1~2問ほど講師に配布されており、内容は配布されるテキストの文章とほぼ同じものから作成した択一試験です。
難易度はどう? 協会としては受からせるつもりなの?
難易度については、その講習を受講した回なら易しいと言えます。
協会としては受講者を合格させるための講習としています。なので、講師には予め問題と答えを配布し「出題箇所をできるだけ教える」ように指示されます。講師は試験内容に類似した文章がテキスト内に在れば「ここは覚えて下さい。チェックして下さい。」と優しく教えてくれることが多いです。
私自身初めて講師として派遣された際にはこの点をよく説明されました(笑)。というのも、前回派遣された講師は、あまり出題範囲を教えなかったそうで試験不合格者が多かったそうです… 協会としては合格者を多く出したいと考えています。なので、意味ありげな言い方になりますが、難易度については、その講習を受講した回なら易しいと言えます。
試験にテキストは持ち込めるため、講師が重要と言った箇所はラインマーカー等で色付けし、付箋等を付けておくことをオススメします。
試験に落ちたらどうなるの? 再試験の難易度は?
試験に落ちた場合は1度に限り、次回以降の試験をその回の講習受講者とともに受験することができます。ここで合格すれば資格付与となりますが、落ちれば再再試験はありませんので、再度講習費用を納め、講習と試験を再度受ける事になります。
この再試験では講師からの出題範囲のヒントは無い状態で受験することになるため、難易度は少し高いです。もちろん試験内容は異なりますよ。
なので講習を受講した回で必ず合格するよう、しっかりと聞いて、出題範囲は必ずマークして下さい!
私は試験範囲を教えるかって? 私は優しいので、最初に試験範囲を教えますよ(笑)。そこからは試験のためでは無く、消防のプロとして学んで欲しい内容を講習時間一杯までお話していました。
予防技術検定にチャレンジ! 消防設備点検資格者の講習編
問題
法第17条の3の3に規定する総務省令で定める資格を有する者である消防設備点検資格者であるために必要な条件の内、誤っているものを1つ選べ。
- 乙種消防設備士
- 2級建築士
- 消防行政に係る事務のうち消防用設備等に係る事務に関し1年以上の実務経験を有する者
- 建築行政に係る事務のうち建築物の構造及び建築設備に係る事務に関し1年以上の実務経験を有する者
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答え(4)※建築行政に係る事務のうち建築物の構造及び建築設備に係る事務についての実務経験は2年以上ですので誤りとなります。
実務経験の必要年数については覚えておきたいポイントですね!
- 設備の工事又は整備に関する実務経験なら5年
- 消防行政での消防用設備等に係る事務なら1年
- 建築行政での建築設備に係る事務なら2年
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