≪2020年≫消防法や建築基準法の法令集はどれがオススメ?ベテラン査察官から新米予防担当職員まで実務に役立つ書籍を紹介!

予防技術検定関連

消防職員向けの実用書って多くの種類が出版されてるけど、正直高いし求めてる情報が載ってるかも分からない…

査察や設備指導業務における買うべき必須書籍を教えて!

火災予防の仕事をしていると法令に基づく業務や指導を行う機会が多いですが、知識の更新や実用書の更新は欠かせません。しかし、手あたり次第に書籍を購入していては学習効率も悪く、費用ばかりが掛かってしまいます。長年火災予防の業務に従事した私が実際に購入してオススメできる図書をご紹介します。

査察業務、設備指導業務で共通して必須の実用書

消防法令集

法令に基づく仕事を行う訳ですから法令集は必ず必用になります。紹介する法令集は「赤本」、「黄本」、「消防設備士6法」、「防火管理6法」の4種類になりますが、購入はどれか1つで十分です。しかし、出版社ごとに発売時期や特色がありますので以下説明します。

赤本(消防基本六法)

通称赤本と呼ばれるもので東京法令出版から出されています。定価は2,200円であり、最大のメリットは出版時期です。赤本は3月末日に出版されるため、新年度の開始と同時期に手に入れる事ができます。解説や見出しも非常に使いやすく、多くの消防職員はこちらを使用しています。

しかし、デメリットもあります。私にとってのマイナスポイントは縦書きで数字が漢数字で表記されている事と建築基準法令等の他法令があまり充実していない点です。建築基準法令があまり充実していない点は他の書籍でも同様であり、違反処理や設備指導では消防法令集以外に建築基準の法令集も必用になります。

名称消防基本6法
出版社東京法令出版
発売日 令和2年3月31日
内容現在 令和2年2月1日
定価 2,200円(消費税込み)
長所・多くの消防職員が使用している。
・新年度の始まりと同時期に最新版が入手可能
短所・記載方法が縦書き

黄本(注解 消防関係法規集)

通称黄本と呼ばれるもので近代消防社から出されています。定価は本体価格で2,200円であり、赤本よりも消費税の分、僅かに高いです。黄本も令和2年2月末に出版されたばかりであるため、新年度の開始と同時期に手に入れる事ができます。内容現在も令和2年2月1日で赤本と変わりありません。しかし、令和元年度の予防技術検定実施日(3月15日)よりも早い時期に販売されたこともあり、在庫数が少なく高騰気味です。赤本との差別化のためか横書きとなっており、数字の読み取りが非常に容易です。また、告示集も近代消防社から出版されており、親和性も高く便利です。私自身、黄本と告示集のセットを長く愛用していました。

名称注解 消防関係法規集
出版社近代消防社
発売日令和2年2月27日
内容現在 令和2年2月1日
定価 2,200円(本体価格)
長所・横書きで数字が非常に読みやすい!
・告示集と関連しており、告示検索が容易!
・新年度の始まりと同時期に最新版が入手可能
短所・赤本より少し高額

消防設備士6法、防火管理6法

これらは関係法規集の中でも消防設備や防火管理の内容に特化したものとなっています。上の2つの法令集に比べて選択している人は少なくなりますが、他には無い圧倒的な長所をそれぞれ有しています。どちらも消費税込みで2000円を僅かに切ります。

まず、防火管理6法についてですが、こちらはメルカリやラクマ等のフリマサイトで安価に入手することができる可能性が高いです。理由は各消防本部や防火保安協会で開催される防火管理講習の多さにあります。もう分かったと思いますが、解説すると、防火管理新規講習を受講された方でフリマサイトで法令集を出品されるケースが良くあります。そうなると、最新年度のものでも1000円を切ることがありますのでコストを抑えることが可能です。

消防設備士6法のメリットは内容現在が4月1日で設定されている点です。その分発売されるのが5月の中旬から下旬になってしまいますが、年度のスタートと法令の内容が一致している点は非常に魅力的です。基本的には消防設備士試験を対象とした法令集であるため、主要な通知も入っており使いやすさを感じます。

名称防火管理6法消防設備士6法
出版社東京法令出版東京法令出版
発売日平成31年3月31日
2019年新版発行
令和元年5月20日
内容現在平成31年2月1日 平成31年4月1日
定価1,980円(消費税込み) 1,986円(消費税込み)
長所・フリマサイトでの格安入手の可能性がある。 ・毎年内容現在が4月1日
短所・記載方法が縦書き
・フリマサイトで購入する場合供給が安定しない
・記載方法が縦書き
・新年度の開始と同時に法令集を手にすることができない

消防設備指導で役に立つ実用書

消防設備関係告示集

消防設備の関係告示集は近代消防社から出版されています。私は黄本の消防関係告示集とセットで愛用していましたが、最近は「必須ではないかも…」と考えていました。理由は消防庁HPの充実です。ただ、私は「書き込みたい派」でしたので葛藤しながらも買い続けました(笑)

建築基準法令集

消防同意事務では建築基準法令の知識も必要になります。特に防火に関する規定や避難に関する規定に関する知識を求められるため建築基準法令集も必用です。消防基本6法にも少し乗ってはいますが、求める深さまで法令が記載されていないことが多く、別冊で購入することをオススメします。

黄本 (井上 建築法令集)

主要な告示とPDFダウンロードサービスの「即セン力」が非常に優秀です。私の愛用の1冊で非常にお世話になりました。1年間使えば根本からページが抜け落ちるほどボロボロにしたものです。こちらも見やすい横書きです。難点としてはボリューム感がスゴイ事です… 消防基本6法よりも分厚い井上の建築基準法令は持ち運びには不便ですが、審査のためデスクに広げるには問題ありません。

名称井上 建築関係法令集
出版社 井上書院
発売日 2019年12月25日
定価 2,970円(税込み)
長所・主要告示が掲載されており、別に告示集を購入しなくても十分なボリューム!
・見やすい横書き!
・即セン力というダウンロードサービスを利用することで重要ポイントが分かり易い!
短所・非常に分厚いため持ち運びに不便

今思い返すと、消防法令集、消防設備告示集、井上建築法令集とすべて黄色で統一されていますね(笑)

オレンジ本 (建築基準法関係法令集)

建築資料研究社が出版する通称オレンジ本は試験、実務どちらにも使える非常に秀逸な1冊です。私が建築基準法令の勉強を始めたのは、このオレンジ本からです。主要告示は井上ほど充実していないため、実務では別冊で関係告示集の購入が必須です。法令集の使いやすさとしてはオレンジ本に軍配が上がります。非常にコンパクトに必用法令が纏められているため、持ち運びに便利な1冊です。井上の黄本より1か月ほど発売時期が早いこともポイントですね。

名称建築基準法関係法令集
出版社建築資料研究社
発売日2019年11月20日
定価3080円(税込み)
長所・コンパクトで持ち運びが容易
・初心者でも読みやすく、検索しやすい
・井上よりも1か月ほど発売時期が早い
短所・審査実務では告示集を別に購入する必要があるため、やや割高

緑本 (総合資格学院 建築関係法令集)

総合資格学院が出版する建築関係法令集は建築士試験対策用の法令集であるため、情報量が非常に豊富です。サイズもB5とやや大判ですが、割と薄いため、査察用のカバンにも十分入れられます。しかし、サイズが大きいのはデメリットでもあり、開けるとデスクを占領する可能性もあります。私自身、告示集を買うなら緑本!のイメージがあったため何度か購入していましたが、机の狭さに耐えきれなくなり、黄色本へと移行しました。デメリットばかり先行してしまいましたが、情報量は抜群に多く使いやすいです。建築基準法から施行令へと移る時にも法令タイトルの一部も記載されており、検索が容易です。広い机なら間違いなくコレです!

名称建築関係法令集
出版社総合資格学院
発売日11月
定価法令 2,800円(消費税別)
告示 2,500円(消費税別)
長所・B5サイズで情報量が多く、丁寧
短所・紙が薄くラインマーカー部分が透ける
・法令集と告示集が別であり割高
・サイズが大きいため狭い事務スペースでは窮屈

建築消防アドバイス・建築申請メモ

審査や設備指導には必須の実用書ですが、これらに頼りきってはいけません。用途や設備ごとの検索能力に長けたものとなっていますが、根拠は必ず法令文で確認するようにしましょう。特に令9や1階段での避難器具の設置要否を判断するために建築消防アドバイスのみを頼ってしまうと読み手によっては間違った解釈になりかねません。

また、毎年購入が必要かと聞かれるとそうではありません。私は大きな法令改正があった年に買い替えをしていました。小さな改正であれば、書き込んだりメモを張ることで実務とともに成長する武器に仕上げることをオススメします。

建築基準法令の改正が大きかったので確認申請メモは買い替え必須ですね(汗) 

デメリットはズバリ一言、値段が高い

消防用設備等審査関連実用書

アタック講座、ドッキング講座

消防用設備や建築基準法令と消防の関係性を学びたければ分かり易い1冊となっています。文章もお堅い表現とは違うため初心者でも読み込み易いです。私自身、消防設備の知識はアタック上下巻とドッキングで固めたものです。

予防事務審査・検査基準(3冊セット)

着工届の審査要領や消防検査手順が纏められたもので、東京防災救急協会から出版されています。内容は3冊セットという事もあり非常にボリュームがあります。少しマニアックなところも書かれており重宝しました。無窓階判定時の防犯フィルムの貼り付けについても詳細に判定方法が記載されており、何度も読み返した記憶があります。

記事執筆時では令和元年7月に改定されたものが最新巻です。

名称予防事務審査・検査基準
出版社東京防災救急協会
定価3冊組4,800円(税込み)
購入方法東京防災救急協会HPから直接申し込み
長所・審査要領や検査要領が分かる!
・内容にボリュームがあり濃い
短所・ある程度予備知識が無いと読み込みに時間が掛かる

査察、違反処理で役に立つ実用書

消防法の解説書

逐条解説消防法

非常にお世話になる1冊であり、プロの消防職員として読み込み必須です。地域によっては初任教育で配布されているところもあります。私も初任教育でこの図書を受け取りましたが、あまり読んでいませんでした。時間が戻るのならあの時間でもっと勉強すればよかった…」

消防法の研究

消防法の法律問題でお世話になる1冊で、解説を読むのもやや難しい表現が多いです。私自身、告発の部分は何度も読み返しました。しかし、問題点を挙げるなら出版から10年が経過し、今の時代にピッタリはまっているかは疑問です。法令解釈や消防機関を取り巻く環境変化もあるため、意見の1つとして捉えることで自身の判断材料の1つと考えましょう!

違反処理関連法令の解説書

逐条解説 行政手続法

違反処理を進める中で行政手続法の理解も必用です。命令に移行する際にはご一読下さい。

現代行政法講座

行政の立場と行政法の重要性を認識させられました。東京消防庁の公表制度開始の話が印象的で、間接的アプローチの理解が深まりました。

新米査察官向けの実用書

査察業務や消防設備業務に初めて携わる場合、何から勉強してよいのか分からず、消防設備も具体的なイメージが湧きません。そんな新米査察官は今まで紹介した図書を読み込むよりは「査察マスター」だけを繰り返し読み込んで下さい。視覚的なイメージから学習を進める事ができるため、後から法文を読むとスッと知識が入りやすいです。

まとめ

異動が決まると急いで書店で実用書を買い揃えたくなりますが、それほど急ぐ必要はありません。

多くの書籍を集めても読み込みには時間が掛かるし、もしかしたら今のレベルに応じたものにマッチしていない可能性もあります。参考書は割と高額であるためリサーチしてからでも遅くありません。それに、インターネットで購入しても数日後には手元に書籍が届くため便利な時代になったものです。

特に法令集はインターネットで検索も容易です。縦書きと横書きどちらが読みやすいのかも重要ですので、いろいろと試して自身に合うものを探してみて下さい。

私は消防法、告示、建築基準法の全てが黄色で統一でした(笑)

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