赤い電話の火通ってあんまり設置されてないよね。設置されているのは福祉施設とかのイメージがあるなぁ。
一般電話代替とか3項電話代替って何のこと?教えて!
この記事では消防法施行令第23条に基づく消防機関へ通報する火災報知設備の設置要件について解説し、上記のような疑問を解決します。
消防機関へ通報する火災報知設備って必ず設置するの?
消防機関へ通報する火災報知設備ってどんな設備がご存じですか。もちろんイメージされたとおり、福祉施設等に設置されることが多い「赤い電話」ですね。
しかし、実際に「赤い電話」が設置されている施設と法令で設置が必要な面積での防火対象物は必ずしも一致しませんよね。それどころか、ホテルと福祉施設以外では、ほとんど目にしません!
でも、これって違反ではなく、ごく普通の電話で代替されているのです。
消防機関へ通報する火災報知設備は、一般電話を設置することで設備の代替となります(一般に「3項電話代替」や「一般電話代替」と呼ばれています)。
今回はそんな消防機関へ通報する火災報知設備の設置要件と3項電話代替について深掘りします!
消防法施行令第23条 第1項は設置対象を用途や面積で定める
第1項では消防機関へ通報する火災報知設備の設置が必要な用途と規模を定めています。しかし大前提として、「ただし、消防機関から著しく離れた場所その他総務省令で定める場所にある防火対象物にあつては、この限りでない。 」と条件に合致する場合は設置義務そのものを免れます。
総務省令で定める場所については6項イ(1)及び6項イ(2)は消防機関が存する建築物内、それ以外は歩行距離500m以下の直近であれば設置義務は生じないとしています。
消防法施行令第23条第1項へ戻ります。
第1号は面積に関係無く消防機関へ通報する火災報知設備の設置が必要な用途を定めており以下になります。
0㎡から火通が義務となる用途(用途で義務が生じるもの)
6項イ(1)~(3)、6項ロ、16の2項、16の3項
上記以外の用途は第2号、第3号に定められており、設置義務面積が500㎡又は1000㎡となっています。
消防法施行令第23条 第3項は代替要件を定める
第3項では消防機関へ常時通報することができる電話を設置したときは、消防機関へ通報する火災報知設備が原則不要となることが定められており、これを一般に「3項電話代替」や「一般電話代替」と呼びます。
しかし原則としたのには例外もあり、第3項では一般電話を設置しても代替できない用途が定められています。5項イ、6項イ、6項ロ、6項ハは3項電話代替ができない用途として定められています。
これらはひと昔前ならば宿泊室数や病床数、通所施設であることを理由に特例で設置免除をしていた市町村もありましたが、法改正とともに特例条件を無くしてしまったりと厳しくなっている消防本部が多い印象です。
でも、こんな事を言ってはなんですが、個人が携帯電話を所持することが当たり前の時代なので、消防機関へ通報する火災報知設備の在り方も少し変わるべきかもしれませんね(汗)
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