予防技術検定 防火査察 過去問&類似問題&予想問題 第3回(3条、5条、5条の2、5条の3命令)

筆記による学習 予防技術検定関連

このページでは予防技術検定(防火査察)の過去問や類似問題、予想問題を公開しています。

問題にひたすらトライアル&エラーを繰り返すことで短時間で効率よく学習できるページです。間違えた問題は法令や解説ページで復習をすることでさらに効果的ですよ。

第3回目は消防機関の各命令についてです!

防火査察区分を学習するために重要な消防法における措置命令に関連した問題のみを厳選しています。措置命令での命令要件や命令権を有する者を学習することはもちろんですが、違反処理マニュアルやそれに伴う通知文での質疑応答内容も試験に頻出しています。問題にチャレンジして自身の苦手分野を知りましょう!

防火査察の問題にチャレンジ!  消防法第3条 屋外における措置命令

第3条第1項関連(問題数2)

チャレンジ問題1

消防法第3条の内容についての記述のうち、誤っているものを1つ選べ。

  1. 消防法第3条第1項命令の発動要件である「消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める」とは、公設消防の活動に支障となる場合に限る。
  2. 消防法第3条第2項に定める略式の代執行について、「確知すること」とは、名あて人が現場に居合わせる場合等、氏名及び住所を知ることができる場合に限らず、その者を特定することのできる場合全般をさすものである。
  3. 消防法第3条第2項及び同法第5条の3第2項の規定による措置を行った場合の保管費用については、消防法第3条の規定で災害対策基本法第64条の規定を準用し、物件の保管、売却、公示等に要した費用の額及び納期日を定め、文書により本来の措置の履行義務者に対して請求する。請求したにもかかわらず相手方が支払わない場合は、国税徴収法(国税滞納処分)の例により、強制徴収することができる。
  4. 消防吏員は消防法第3条第1項の命令権を有し処分権者になり得るが、消防法第3条第2項の略式の代執行及び同法第4項の代執行について処分権者にはなり得ない。
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答え 1 「消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める」とは、消火、避難等消防の活動に支障になる場合一般をいい、必ずしも公設消防の活動に支障となる場合に限られず、防火対象物の関係者の消火や避難の活動も含むものである。
チャレンジ問題

消防法第3条についての次の記述について、適当でないものを1つ以上選べ。

  1. 消防法第3条第1項の命令権者に消防吏員及び消防職員は含まれている。
  2. 屋外においてタイヤ(合成樹脂類)が多量に放置されていたため、火災の予防に危険であると判断し、消防署長名でタイヤの管理者に物件の整理を命じた。
  3. 火災注意報発令中に畑で大規模な野焼きを実施していたため、火災の予防に危険であると判断し、消防吏員名で行為の禁止を命じた。
  4. 消防法第3条第1項の命令をした場合、標識の設置その他総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
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答え 1及び4  消防職員には命令権がないため不適当。第3条第1項命令では公示について定められていないため不適当。

第3条第2項関連:略式の代執行について(問題数1)

チャレンジ問題3

消防法第3条第2項の略式の代執行についての記述について次の(ア)及び(イ)の空欄に当てはまる文言の組み合わせについて正しいものを選べ。

 消防長又は消防署長は、火災の予防に危険であると認める物件又は消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める物件の( ア )で権原を有するものを確知することができないため、これらの者に対し、前項の規定による必要な措置をとるべきことを命ずることができないときは、それらの者の負担において、当該( イ )(消防本部を置かない市町村においては、消防団員。第四項(第五条第二項及び第五条の三第五項において準用する場合を含む。)及び第五条の三第二項において同じ。)に、当該物件について前項第三号又は第四号に掲げる措置をとらせることができる。

番号 (ア) (イ)
1. 所有者、管理者又は占有者 消防職員
2. 所有者、管理者又は占有者 消防吏員
3. 所有者、管理者、占有者又は関係のあるもの 消防職員
4. 所有者、管理者、占有者又は関係のあるもの 消防吏員
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答え 1

第3条第4項関連:代執行について(問題数1)

チャレンジ問題4

消防法第3条第4項の代執行についての記述について誤っているものを1つ選べ。

  1. 命令権者は消防長又は消防署長であり、 消防職員又は第三者にその措置をとらせることができる。
  2. 行政代執行法に定められる代執行の要件は、他の手段によつてその履行を確保することが困難であり、かつその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められる場合である。
  3. 代執行をなすには、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、予め文書又は口頭で戒告しなければならない。
  4. 非常の場合又は危険切迫の場合において、当該行為の急速な実施について緊急の必要があ ったため文書による戒告及び代執行令書の手続をとる暇がないと判断し、その手続を経ないで代執行を行った。
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答え 3 文書によらない戒告は、要件を欠くものとして無効となります。

防火査察の問題にチャレンジ! 消防法第5条、第5条の2

第5条に基づく措置命令(問題数1)

チャレンジ問題1

消防法第5条の規定に基づく火災予防措置命令に関する次の記述のうち消防法令上誤っているものを1つ以上選べ

  1. 消防法第5条の規定に関する命令権者は「消防長、消防署長その他の消防吏員」である。
  2. 消防法第5条に基づく命令要件は「防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合、火災が発生したならば人命に危険であると認める場合その他火災の予防上必要があると認める場合」である。
  3. 消防法第5条に基づく命令の内容は「防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置」である。
  4. 消防法第5条に基づく命令の受命者は「権原を有する関係者」であるが、「特に緊急の必要があると認める場合においては、関係者及び工事の請負人又は現場管理者」も受命者になり得る。
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答え 1  消防吏員は命令権者でないため誤り。

第5条の2に基づく使用停止命令(問題数2)

チャレンジ問題2

消防法第5条の2の内容についての記述のうち、誤っているものを1つ選べ。

  1. 消防法第5条の2第1項第1号に規定する「履行されても十分でなく」とは、義務者が履行の着手はしたが求められた措置の内容を完全には履行しない場合であり、例えば、複数の措置を求める命令を発したときに義務者が費用を必要としないもののみを履行し、多額の費用を要するものを履行しない場合が考えられる。
  2. 消防法第5条の3第1項による除去命令の発動後、避難障害となる商品が除去されず、その後も商品を搬入し、除去命令時に設定した履行期限内に除去することが不可能で使用停止命令を行わなければ人命危険が排除できない場合は消防法第5条の2第1項第1号の命令の適用要件に該当する。
  3. 消防法第17条の4第1項による自動火災報知設備設置命令後に、大売り出し等の催物を開催していることにより、防火対象物の収容人員が急激に増加し、火災発生を早期に発見しなければ、逃げ遅れによる人命危険が予測される場合は消防法第5条の2第1項第1号の命令の適用要件に該当する。
  4. 消防法第5条の2第1項の命令を発動したが、法令違反が是正されない場合告発をもって対応するが、消防法第5条の2第1項の命令の公訴時効は1年であることに留意する。
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答え 4 公訴時効の時期は3年(刑事訴訟法第250条 第2項 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については3年
チャレンジ問題3

消防法第5条の2について、消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、権原を有する関係者に対し、当該防火対象物の使用の禁止、停止又は制限を命ずることができるとされているが、命令要件の1つである「措置命令等が履行されない場合」の措置命令等の概要として誤っているものを1つ選べ。

  1. 消防法第5条の3第1項に基づく措置命令
  2. 消防法第8条第3項に基づく防火管理者選任命令
  3. 消防法第17条の4に基づく消防用設備等の設置維持命令
  4. 消防法第36条により準用される消防法第8条第3項に基づく防災管理者選任命令
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答え 4  消防法第5条の2の命令要件は火災の予防や火災が発生したならば人命に危険であると認める場合であるため、防災管理で想定される災害とは異なるため誤り。

防火査察の問題にチャレンジ! 消防法第5条の3

5条の3第1項に関する措置命令(問題数2)

チャレンジ問題1

消防法第5条の3第1項に基づく命令についての記述について表現が適切でないものを1つ選べ。

  1. 屋内階段内にガソリン20Lが存置されており、消防法第3条第1項第3号に基づく措置をとるべきことを命じた。
  2. 屋内階段内に段ボール20箱(中身は書類)が存置されており、消防法第3条第1項第3号に基づく措置をとるべきことを命じた。
  3. 屋内階段内に段ボール20箱(中身は書類)及びタイヤ20本が存置されており火災の予防に危険である。消防法第3条第1項第3号及び4号に基づく措置をとるべきことを命じた。
  4. 屋内階段内にタイヤ20本及び金属製ロッカーが存置されており避難の障害となっている。消防法第3条第1項第3号及び4号に基づく措置をとるべきことを命じた。
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答え 3  段ボール及びタイヤはどちらも燃焼のおそれのある物件であるため第3号が命令根拠となる。
チャレンジ問題2

消防法第5条の3の内容についての記述のうち、誤っているものを1つ選べ。

  1. 消防法第5条の3第1項の除去命令が発せられると物件を除去するが、違反を繰り返し行う場合、告発により対応することを検討する。
  2. 消防法第5条の3第1項の除去命令を発動後、通行可能な状況まで物件を除去・整理したが、まだ、階段に避難障害となる物件を存置している場合、障害の程度によるが、消防法第8条の2の4の管理違反について適正に指導を継続する。防火管理者選任義務対象物に対しては、同法第8条第4項(防火管理適正執行命令)の適用も考慮する。
  3. 除去命令を防火対象物の関係者であるビル所有者に発した後、是正に着手する前に、当該物件の所有者で権原を有する者に命令を発することができる状況になった場合、本来の受命者が判明したことにより、ビル所有者に対する命令を撤回し本来の受命者に対し除去命令を発する。
  4. 消防法第5条の3第2項、ただし書き、「緊急の必要のあると認めるとき」とは、早急に火災予防等の危険を排除する必要がある場合で、相手方に公告の内容を伝える暇のないときのことである。
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答え 3 同法第5条の3第1項に基づく「特に緊急の必要があると認める場合」であれば、命令を撤回する必要が無い。「特に緊急の必要があると認める場合」に該当しなければビル所有者に対する命令を撤回し本来の受命者に対し除去命令を発することは可能である。

法第5条の3と法8条の2の4の関係性(問題数2)

チャレンジ問題3

消防法第5条の3及び同法8条の2の4についての記述のうち、誤っているものを1つ選べ。

  1. 消防法第5条の3第2項における措置を行う場合、公告を行わなければならないが、この場合の公告期間である「相当の期限」とは公示送達に必要な期間である2週間(民事訴訟法第112条)と消防法第5条の3第2項の規定による措置の履行に要する期間を加えた期間である。
  2. 消防法第8条の2の4で閉鎖障害について管理する対象として防火戸が定められているが、防火シャッターについては管理の対象として含まれない。
  3. 自主的に設置された避難階段上に避難上障害となるような物品が置かれている場合であっても、消防法第8条の2の4の規定が及ぶ。
  4. 連結送水管の送水口の前(屋外)に看板がおかれ、使用不能となっている場合の違反処理は屋外における消防の活動に支障となる物件であるため、消防法第3条第1項第4号による違反処理を検討する。
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答え 2 防火シャッターについても対象です。
チャレンジ問題4

消防法第8条の2の4に関する次の記述について誤っているものを1つ選べ

  1. 立入検査にて区画形成の防火戸の降下位置に物件が存置されていたため、消防法第8条の2の4を根拠法令に違反指摘した。
  2. 自主的に設置された避難階段は、避難障害物品が存置されていても消防法第8条の2の4を根拠法令に違反指摘することはできない。
  3. 延長50m以上のアーケードに避難障害物品が存置されていても消防法第8条の2の4を根拠法令に違反指摘することはできない。
  4. 消防法第8条の2の4は、防火戸の周囲の物件に着目して規制するものであり、当該防火戸の周囲に物件が放置され、又はみだりに存置されないよう管理を義務づけるものであり、建築基準法令に基づく維持管理と競合は無い。
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答え 2  避難として使用可能な階段に避難の障害となる物品が置かれている場合には、消防法第8条の2の4の適用がある。

防火査察の問題にチャレンジ! 違反処理全般

違反処理に関する総合問題(問題数1)

チャレンジ問題1

違反処理に関する記述について誤っているものを1つ以上選べ。

  1. 消防法第17条の3の3に基づく点検の未報告についての違反処理は告発(直罰)をもって対応するが、点検未実施である場合は、防火管理者選任義務対象物に限り消防法第8条第4項の防火管理適正執行命令により対処することもできる。
  2. 避難階段に設置された避難の障害となる柵や扉(ボルト等により建物に固定されている。)の除去は、消防法第5条の3で対応する。
  3. 質問調書は違反者の犯意(故意)を立証することがその作成の目的の一つであるが、警告、命令は客観的要件を立証すれば行うことができるため、質問調書を作成しなければ、警告、命令を発動できないわけではない。
  4. 消防法第5条第1項命令違反を要件とする同法第5条の2第1項第1号に基づく使用禁止命令等違反があった場合、両命令違反とも成立しているので、両命令違反について告発を行う。具体的には、一通の告発書に二つの適用法条を記載して行う。
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答え 2  ボルト等により建物に固定されているものは、物件でないので消防法第5条第1項(除去命令)により対応すべきである。

審査請求(問題数2)

チャレンジ問題2

消防法第5条の4に定める審査請求の期間についての記述について次の(ア)及び(イ)の空欄に当てはまる文言の組み合わせについて正しいものを選べ。

消防法第5条第1項、同法第5条の2第1項又は同法第5条の3条第1項の規定による命令についての審査請求に関する行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項本文の期間は、( ア )から起算して( イ )とする。

上記命令以外の処分についての審査請求に関する期間は行政不服審査法第18条第1項に定められており、処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して( ウ )を経過したときは、することができない。

番号 (ア) (イ) (ウ)
1. 当該命令を受けた日の翌日 30日 90日
2. 当該命令を受けた日 60日 3月
3. 当該命令を受けた日の翌日 30日 3月
4. 当該命令を受けた日の翌日 60日 90日
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答え 3
チャレンジ問題3

中核市である〇〇市消防局の中央消防署の消防署長は令和2年3月15日に株式会社A代表取締役αに対し消防法第5条第1項に基づく防火対象物の改修を命じた。株式会社A代表取締役αは本命令に対し行政不服審査法に基づく審査請求を行う予定であるが、審査請求をする場合の請求先として正しいものを選べ。〇〇市消防局は広域行政組合ではなく、〇〇市単独で運営している。

  1. 中央消防署長
  2. 〇〇市消防長
  3. 〇〇市長
  4. 消防庁長官
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答え 3 個別法に特別の定めがある訳では無いため、処分庁の最上級行政庁(大臣、都道府県知事、市町村長など)が審査請求先となります

おわりに

今回は消防法に定められる措置命令についての内容でした。間違えた問題や正解するまでに時間を要した問題は必ず法令文等で深く学習するようにしましょう。違反処理標準マニュアルの読み込みも重要ですよ。

検定合格を目標にするならば、間違えた問題や苦手な分野等の穴を埋める学習が重要になります。検定試験日まで自身に見合った学習スケジュールを立てて継続的に勉強を進めましょう!

コメント

  1. ゆう より:

    コメントにて質問失礼します。
    違反処理総合問題、チャレンジ問題3で、審査請求先は最上級行政庁との解説がございますが、
    違反処理マニュアルP128(8.命令書の作成→(6)教示→(ア)不服申立ての教示)に、・上級行政庁がある場合の不服申立ては・・・処分庁(行政処分を行った行政庁)の直近上級処分庁である。との記載があります。お時間ございましたら、詳しい解説をよろしくお願いいたします。

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